皮ごと、種なしで天然の豊かな甘み。それが日本生まれの「奇跡のぶどう」、シャインマスカットです。
開発の序章: シャインマスカットへの挑戦
「シャインマスカット」、日本が世界に誇る「奇跡のぶどう」の物語は、1968年に広島の園芸試験場安芸津支場で幕を開けました。雨の多い日本に適応し、かつマスカット特有の香りをもち、そして食べやすい葡萄の開発が、その大きな目標でした。ヨーロッパ系葡萄の繊細な風味とアメリカ系葡萄の強靭さを兼ね備える品種を創り出すべく、研究者たちの挑戦が始まりました。
長い旅路: シャインマスカット誕生の軌跡
1973年、香り控えめながら食べやすい「安芸津21号」が誕生し、研究チームは大きな一歩を踏み出しました。しかし、彼らの探究心はそこで満足せず、マスカット特有の豊かな香りをもつ葡萄の開発に挑み続けました。その情熱が実を結び、1988年、「白南」との交配で「シャインマスカット」が生まれました。その後、1999年からは全国30ヶ所での栽培試験が始まり、2006年3月についに品種登録されました。研究者たちは始まりから完成まで、実に38年という歳月を費やしました。
輝く奇跡: シャインマスカットの世界への旅立ち
「輝くようなマスカットブドウ」という意味が込められたシャインマスカットのその美しい外見の裏には、研究者たちの38年に及ぶ研究と情熱の物語があります。研究者たちが異なる長所を持つ葡萄を見事に融合させ、マスカット特有の香りと食べやすさをもち、さらに雨の多い日本の気候にも適応する葡萄を創り出したのです。研究者たちの夢と情熱、科学と自然の調和、日本の大地に対する深い敬意を象徴する「奇跡のぶどう」として、シャインマスカットは世界にその名を広めています。